本日はデンマークのフォルケホイスコーレ留学についてご案内です
実は私もヨーロッパに滞在するまでフォルケホイスコーレについてよく知りませんででした。
フォルケホイスコーレを調べれば、調べるほど興味深い教育制度です。
このコラムでは、デンマークのフォルケホイスコーレの制度と学校の選び方についてご案内です。
※本記事は少しラフな表現が含まれています。本来のフォルケホイスコーレの考え方と敢えて異なる表現がある事をご理解の上、ご一読いただきますようお願い申し上げます。
フォルケホイスコーレについて
フォルケホイスコーレは、北欧独自の教育システムです。
大前提として、「人種や立場など関係なく誰もが平等に学べる機会を提供する」と言う考えが根底にあります。
留学プランのページで正式な案内はしています。
このコラムを読んでいる方が知りたいであろうことを、ゆる~く、私の言葉でご説明します。
お問い合わせの段階で、国籍比率等を言われる方が居ますが、原則としてデンマーク人が50%を占めている必要があります。また、年代は圧倒的に18歳~24歳が多いです。短期コースは2週間~7週間(2カ月以内)を指していて、長期コースは8週間~40週間(2カ月~9カ月)を指しています。しかし、現実問題多くの学校が4~5カ月が多いため、短期コースを受講する場合は、様々な年代の方が居ますが、シニアコースが多い傾向で1週間のコースが最も多いです。
国籍問わず、デンマークのフォルケホイスコーレに通学している方は年間40,000人前後と言われていますが、このうち約75%の30,000人が短期コースに通われ、残りの25%の約10,000人が長期コースに通われています。
日本のパスポート保持者の場合、長期のフォルケホイスコーレに行く方が多いですが、現地のデンマーク人が全員フォルケホイスコーレに行くのかと言うと、大体10%位の方が通学した経験があると言われています。
長期の場合は、高校生から大学生のギャップイヤーで通学されたり、大学の長期休暇中に通学、大学中退後に通学される方が多い傾向です。
何を学ぶことが出来るの?
フォルケホイスコーレで何が学べるかについては、留学プランのページに記載があるのでそちらをご覧下さい。
自分に興味がある分野の学校に行く事がオススメです。
フォルケホイスコーレでは、アカデミックな内容は事を学ぶ事は出来ません。オンライン相談で、「フォルケホイスコーレに行ったら、就職に有利になりますか?」や「フォルケホイスコーレを卒業したら箔がつきますか?」等の質問を頂く事がありますが、フォルケホイスコーレは、入学試験もなければ、学期中にテストもありません。
フォルケホイスコーレが日本にないシステムなので、意図が違う事は100も承知の上ですが、「国が運営している全寮制の規模が大きい習い事」や「国が運営している全寮制の超参加型のワークショップ」と表現するとイメージがわきやすいかもしれないです。
正直に言い過ぎると、学力的な面でスキルアップをしたい方にはオススメしない留学プランです。
しかし、価値観や人生のスキルアップをしたい方、自分と見つめあいたい方にはオススメ出来る留学プランです。
もっと言うと、人生立ち止まって休憩したり、新しい自分を探したい方、自分探しの旅に出たい方にもオススメです。
デンマーク人が、フォルケホイスコーレに行くのと、約1万キロ離れた日本人がフォルケホイスコーレに行くのでは意味合いが異なります。例え同じことを学ぶにしても、日本人(留学生)の方が学ぶ事以外にも得るものが多いです。
誤解を招かないために言うと、外国人が日本に来て「習字」を習うのと、日本人が習字教室に行くのでは意味が違うのと同じです。
また、過去の留学生のお話を聞いても、「特定の分野を勉強して知識を得たのは事実だけど、それよりも異文化交流やコミュニケーション能力、価値観の変化等の人間力を高める」と言った方がしっくりくる。と言われます。
上記の内容は、一般的に書かれているフォルケホイスコーレのありふれた説明をあえてしていません。
本来の意味あいと異なる表現がありますが、より分かりやすく、イメージしやすくするために書いています。
留学中の過ごし方について
ルール上、週に28時間以上勉強することが義務付けられているので、平均して、1日に5時間30分前後は勉強することになります。また、全寮制のため、学生寮で一人部屋もしくはシェアルームで集団生活を行います。
学校により若干のスケジュールは異なりますが、タイムスケジュールに沿って運営しています。食事の時間も含めると、朝8時~夕方19時位までは、何かしらするべきことがあると思って頂いて問題ありません。
日本の給食当番があるように、フォルケホイスコーレでも給食当番があります。食事の準備から後片付けや共有スペースのお掃除なども行う必要があります。また、食後や週末にもワークショップやイベントがある場合もあります。
また、フォルケホイスコーレは「共同生活」に重きを置いているので、1人の時間が好きな方には少し窮屈に感じてしまうかもしれませんが、1人部屋を選択し、時間を確保する事は出来ます。
現在はアプリで管理している学校も多く、体験談としては、「思ったより自由時間がない」「予定びっしり」 「学生に戻った気分」と言われる方が多いです。
土日は、原則フリータイムですが、先生や生徒に企画があったり、お部屋でのんびりと過ごしたり、お出かけしたりします。
学校の選び方
フォルケホイスコーレの仕組みを理解することが出来たら、次は学校の選び方です。
大きく分けて2つのタイプがあります。
①デンマーク語で行うフォルケホイスコーレ
②英語で行うフォルケホイスコーレ
デンマーク語もしく英語の学校を決めてから、学びたい分野の学校を選んでいきます。
①デンマーク語で行うフォルケホイスコーレ
英語に凄く自身がある方や、デンマーク語を学んでいる方は、デンマーク語で行うフォルケホイスコーレに行くと言う手段があります。しかし、全てがデンマーク語で行われているので、デンマーク語が分からない方や初心の方は苦戦します。
デンマークも含む北欧は、英語の通用度が高いので、他の生徒や先生とコミュニケーションを取りながら行う覚悟があり、日本の感覚だと「かなり積極的」に授業を受ける方であれば、挑戦出来る選択ですが、デンマーク語のフォルケホイスコーレに行かれる方は少ないですが、学ぶ事が出来る分野は多いです。
デンマーク語の学校の中でも一部授業を英語で行われていたり、英語に翻訳されている学校もあります。
②英語で行うフォルケホイスコーレ
現在、日本人の多くの方が選択されるフォルケホイスコーレは、英語で行われている学校です。この場合は、デンマーク語が学校で使われる事もほとんどなく、英語で生活することが出来ます。
また、フォルケホイスコーレの中に「日本語」のコースがあったり、日本人留学生が多い学校もあります。傾向的には、英語で行うフォルケホイスコーレにいかれている方が多いのが現状です。
デメリットとしては、選択できる分野が限られていたり、インターナショナルな学校は、デンマーク人の比率ルールが適応されないため、留学生が多い傾向になります。また、学校によっては日本人が多いと言う現象が起きています。
分野の選択
過去のオンライン相談をされる方の傾向として、特定の分野を強く希望すると言うよりも、フォルケホイスコーレを利用して、デンマークに留学したいと言う方が多い印象です。
デンマーク語もしくは英語の選択が出来たのちに、分野の選択を行いますが、選択肢が多すぎるので、学校を紹介する前に何に興味があるのかを確認しています。「全く何も興味がないです…」と言う方はいないので、なにかしら気になる事を学ぶ事ができます。
200種類以上のトピックがあるので、全部を伝える事は出来ませんが、大まかなグループは、留学プランのページに記載しています。
私の場合は、今勉強をするのなら「統計学、集客、政治、社会情勢」等が出てきます。
そのため、個人的に興味深いなと思っているのは、
・経済学とビジネス
・政治
・ロシアとウクライナ問題
・犯罪学
・ビール醸造
・解剖学と生理学
など学びたいなと思いました。
「ビール醸造と解剖学と生理学」は趣味の領域ですが、上記トピックはフォルケホイスコーレで学ぶ事が出来る内容です。
さいごに
フォルケホイスコーレ留学を取り扱っている留学エージェントはとても少ないです。
初めてのご相談時は30分間無料で承っています。
2回目以降については、有料で承っていますが、語学留学を4週間以上、お申込みされる場合については、フォルケホイスコーレのご相談と渡航前サポートや学校の情報提供は無料で行っています。
(語学留学対応国:アイルランド・イギリス・マルタ・フィリピン)
語学留学とは異なり、最低でも4ヵ月前位から準備を行わないと、希望の分野が学べなかったり、ビザの手続きが間に合わないので、余裕を持って準備を行う事を推奨しています。
※文頭、文中にも書きましたが、このコラムはフォルケホイスコーレの本来の趣旨とは異なる表現があります。
それでも書く事にした理由は、「民主主義、国民学校、平等」と言われてもイメージが沸かないと言う声が多かったので、あえてラフな表現をしている事をご理解ください。